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デュエルマスターズ 掲示板

掲示板あいさつ・宣伝板 ≫ スレッド : 完全自己満足日記
名前 コメント
2015-05-18 18:58
今回の新殿堂について、ざっくり

・ディスマジシャン
うむ、どうせあとからイメンかボアロに規制かけるのは目に見えてるのでそれまではコンビ殿堂にしとけばよかったんじゃないかな。

・魔天降臨
お疲れ様枠でしょうか。特に暴れていたわけではないですし。マナさえたまればどうにかなるというビッグマナ系統に対抗する最大の手段だったので残念

・ヒラメキプログラム
マジシャンのとこであとから規制云々言ってますが、それはここから来ています。こいつのせいでローランが殿堂入りしてるというのに・・・。デビルドレーンも確かに危険な香りがするカードですが最初からヒラメキを規制しておけばまだ殿堂入りさせる必要はなかったようなものですし。

・暴龍警報
ひどい。レッドゾーンとのコンボを事前に潰しておくつもりなのでしょうけど、このカードは本来「火のドラグナーをSA化させて龍解のタイムラグを減らす」ことがメインのはずです。正直コマンドドラゴン追加はこの主用途から外れています。たまに見かけ、かつ強力だと思える使い方はアイラ・フィズ+ザンテツに打つタイプですがザンテツの効果でコマンドドラゴンくっついてますし。無理やり考えてもグレンモルトにガイバーンを装備させ、すぐに龍解させるという超絶劣化ガイギンガぐらいしか思いつきません。ではなぜこのカードにはドラゴン付加、という効果が付いたのか(私のようにガイハートを持ってない人に対する配慮?かもしれませんが持たざる者はそもそもグレンモルトなんか使おうと思わない)。レッドゾーン登場の布石だったならこのタイミングでの規制はまず考えられない。本当に、なぜなんだろう
2015-05-18 20:53
The story of DuelMasters

24

漂流大陸の末裔 δ:滅びへの序章



結晶の塔、≪アカシック・3≫。サイバーロードの拠点だ。いつもの場所でデータを解析しながら突然話し出したウォルタ。

「すまないね」

「・・・何の話でしょうか」

彼の意図がつかめないアクア・マスターは恐る恐る問いかけた。ウォルタは背を向けたままだ。

「じゅうしゃであるキミにマスターなんてなまえをつけてしまったことさ」

何を仰るかと思えば、マスターは首を振った。

「リキッドピープル統制という大役を担わせて頂いております」

「そうだったね」

「マスター、ひかりからもれんらくがきたようだよ」

ええ、と頷く。

「きみにまかせよう。ボクには、ほかにやるべきことがあるから」

「やるべきこと・・・アクアンのことですか」

動きを止めたウォルタはそうだ、と言って振り返った。対面した部下に告げる。

「僕は奴を甘く見てた・・・あいつを侮っちゃいけなかったんだ」

アクア・マスターはウォルタの微かな変化を感じ取り胸騒ぎを覚える。それを悟られまいと平静を装った。

「ですが、心配は要らないのでしょう?」

「なぜそう思うんだい」

「あの時と同じ顔をされています」

「あの時?」

「トロピコを罰すると決めた、あのときです」


世界は大きく変化しつつある。あれから、随分と時間が経ったような気がしていたが、彼が今まで生きてきた時間に比べればまだそれはほんの一瞬に過ぎないものであった。ほんの一瞬のまま、終わってくれれば良いのだが。ウォルタは水文明としての最初の戦闘の直前となる、トロピコがブラックボックスを解放したときのことを思い出していた。彼には感謝するべきなのだろう。目の前に広がる記憶の海に溺れながら、ウォルタはそう思った。


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「よろしいのですか?」

「なんのことだい?」

「トロピコのことです。我々リキッドピープルはあなたが作り出したもののはずです。」

「うん・・・それで?」

「奴は我々を従えて進軍する気です。生みの親を差し置いて。実体化してブラックボックスまで開けようとしている」

「それがどうしたのさ」

「僭越ながら申し上げますが、始末する必要があるのでは・・・これ以上付け上がると厄介かと」

マスターはにやりと笑う。

「何も言わずとも手を打つ気はおありのようですが」

「もちろんさ」


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サバイバー。それが、水文明が用意した彼らの呼称である。文字通り「生存者」を指す言葉。収集された個体を分析した結果、彼らは厳しい環境下で生き残るための驚異的な進化を遂げたらしい。光る球体は、サバイバーの証であり、その能力の全てを司るという。そんなサバイバー達が、この世界を狙い、侵略行為を開始してきた。各地で起きていた怪事件は、すべて彼等が引き起こしたものだったのだ。

ゲットはユーカーンと共に海底都市で行われている会合に参加していた。ゲットは対サバイバーについての諸々を統括しているサイバーロード、《アクアン》の説明を聞きながらも、周囲で自分と同じくアクアンの話に耳を傾けるクリーチャー達の様子を伺っていた。五つすべての文明から代表が集まっているだけあり、彼らが醸し出す雰囲気には尋常でないものがあった。それはゲットが今まで戦場で感じてきたむき出しの殺意とは、まったく異質なもの。誰にも何も悟らせない、隠している、というただそれだけが分かる。それが「分かる」と言えるのかどうか、ゲットは判断しかねていたが。しばらくすると、その最たる者が目の前に立つアクアンだということが分かってきた。うっすら笑みを浮かべながら未知なる敵を語るこのサイバーロードは、恐ろしいほどにゲットに対して何も感じさせない。何を考えているのか、はたまた何も考えていないのか。ゲットの観察の対象は、いつしか円卓の中央で説明するアクアンに取って代わっていた。へらへらと笑みを浮かべるアクアンは彼にとって恐ろしいまでの脅威である一方でまた、意識がそこへ集中することで同席している光文明に対して平常心を保つことができていることも確かだった。

「下手だな」

横から声をかけられる。ゲットの隣は、自分と同じくらい背丈の低いビーストフォークの少年だった。少年は今まで一言も言葉を発してはいなかったのでゲットにはそれが彼の声であることはすぐには気付けなかった。顔も瞳も一切をゲットのほうに向けることのないその少年に、ゲットは自分の不器用さを痛感してむくれる。ゲットは無視したが、少年は続けた。

「じろじろ見てるの、隠しきれてないぞ」

「・・・余計なお世話だ」



息をのむ二人。何の前置きもなく、アクアンの足元に光る球体が浮かび上がったのだ。ゲットの額に、じっとりと汗が浮かぶ。ゲットには、見覚えがあった。サバイバーのオーブ。照らし出されたその生き物の全容を目にしたゲットは銃に手をかける。横では獣族の少年もまた、剣を握っていた。先ほどのアクアンの話に出てきたものだと悟ったらしい闇文明の者が、同じように武器を構え立ち上がった。

「ストップ、ストップ、落ち着いてよ」

アクアンが手の平を前に突き出して制する。その表情はどこか楽しげだった。

「面白いサンプルを手に入れてね。そこから作ってみたんだよ。《ツインヘッド・タートルβ》、この子の名前」

おいで、と手招きしたアクアンは、下から這い上がりすり寄ってきたゲルフィッシュの「二つめ」の頭を撫でた。その生き物は、甲羅から伸びる細長い頭部の先端にもうひとつ、頭を供えていたのである。

「サバイバーの個体まで入手済みか」

ため息混じりに吐き捨てたのは無垢の宝剣だった。

「作り物だけど本物のサバイバーと大差ないはずだよ」

そろそろかな、アクアンは人工サバイバーから離れる。首元が輝きだし、うめくツインヘッドタートル。柔らかそうな甲羅から紫色の液体が滲み出てくる。周囲を、鼻をつく刺激臭が包む。アクアンの合図で姿を消したツインヘッドタートルと入れ替わりで、拘束されたキマイラがリキッドピープルによってゲットたちの前に運ばれてきた。長い尾を含めた全身を締め上げられてぐったりとうなだれている。

「こいつ、あのときの・・・!」

驚いたゲットが声を上げる。

「やっぱり、死んでなかったのか」

「死ぬ前にボクが回収しちゃいました」

小馬鹿にされた気がして、ゲットはアクアンを睨み付けた。

「でも、いいのかよ。もし暴れだしたら・・・」


「大丈夫大丈夫、脳の中に小型爆弾仕込んだから。いざとなったらドカンと一発」

「惨い事を」

無垢の宝剣の軽蔑したような言葉を無視してアクアンは話し始める。

「こっちがサンプルの方ね。《ギガリングα》、おそらくそこら辺にいた野良のキマイラにサバイバーのブレインジャッカーが寄生したものだ。尻尾から紫色の液体が流れてるだろう?こいつは何でも溶かす猛毒さ。このクリーチャー特有の」

「『このクリーチャー特有』?」

アクアンの言葉に反応したゲットは、ゲルフィッシュの人工サバイバーが途中から同じような毒を垂れ流していたのを思い出す。

「こいつらは一定の距離で近づくと能力を共有できるって事。」

「・・・なんだそれ・・・?」

ゲットが口を開く。それはそこにいたもの全員の気持ちを代弁していた。ほとんどの者が今、敵の姿を初めて目にしたこの場でまともに口が利けるのはゲットくらいしかいなかった。

「彼らは傍にいる仲間たちの持つ個々の特殊な能力をあたかも自分が持つもののように使えるということさ。そんな連中相手にどうやって戦いを挑むのか・・・さて、ここからが本題」

アクアンは目元まで口角をあげた。
2015-05-20 20:36
五月病かな、といまさら。なんだか去年もこのあたりで似たようなことを書いてるんですがすべてにおいてモチベーションが低い状態です。勉強とかデッキ作りとか。かろうじて本を読む気力だけは残っているといったところでしょうか。連休のせいでやや乱れてしまったものの、順調に週一で一冊くらいは読めています。子供を中心に見た社会学の新書、心理学とオカルト、ケータイ小説は文学か、というおよそ理系とは思えないラインナップですが、先週は理系らしく(?)生物学の先生がゼミの学生や動物たちとてんやわんやする本を一気読みしました。学術書は辞書的であまり読むものではないな(「読む」より「使う」という表現がしっくりきます)、とこの一年ちょっとで感じているので最初からページを開こうという気は起きません・・・。
2015-06-03 20:26
バイトが続きまた日記がおろそかになりました。
そんなわけで近況報告。

映画「イニシエーションラブ」を観てきました。
何か一言でも話すとネタバレになりそうなので感想はパス。

今週末に滅多切り二枚確保。これで四枚そろったのでしばらくは変なデッキで大会をひっかき回します。

やっと新しいデッキ案が浮かんできました。安売りされてたオラクル変形デッキをきっかけに無色ゴッドのデッキを初作成して回したところ中央Gリンクが思いのほかトリッキーでハマり、そこからゴッドノヴァを詰め込んだデッキが作りたくなったというわけです。自身が出たときに加えて他のゴッドが出たときにもリンクの付け替えができるのがポイントですね。第三弾からあっさりとOMGになって文明持ってしまってるのが残念でなりません・・・。



2015-06-04 20:18
中学二年のときに買ったペンケースについに限界を感じて新しいものを購入。スケスケで本当に「一か所にまとめてやるだけだぜ!!」みたいなやつになりました。しんぷる いず べすと。久々に特別な買い物をしました。しましたのですがところがそれだけでは終わらなかった。

授業終わり、いつもと様子が違うと思い乗ってる自転車を見てみると後輪がパンクしていました。ボロボロだったチューブと一緒に同じく劣化していたタイヤも新調することに。うむ、本日二度目の思わぬ出費。ちなみに自転車のパンクは人生初、でありました。自分で言うのもなんですが乗り方そんなに荒くないので今月から強化された罰則云々も半ば他人事、最低限のマナー守ってたら怖くもなんともないってやつです。(とはいうもののデカいくせに整備されてない道路はちょっと不安。歩行者を轢くか自動車に轢かれるかの二択を迫られている気分になる)

いろいろと変わりどきがやってきた、というやつでしょうか。




背景ストーリー小説のほうをちまちま書き進めておりますが、ようやく小説らしい戦闘描写ができるようになってきたかな・・・という感じです。サバイバー編に突入しているのにサバイバーがろくに出ていない状態ですが、改善できそうです。

2015-06-11 09:58
The story of DuelMasters

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漂流大陸の末裔 δ:本能のままに


 額に光球を持つワイバーンが一体、ガーディアンの背後に構えていた。刃と化した翼を近づけると、大口で獲物を喰らうようにそれを二手に裂いて―――。これが、そのガーディアンに残された、最後の映像記録だった。

か細い両端から中心部にかけてゆるやかに丸みを帯びた塔が並ぶ。ガーディアンの防御網を突破した《ブレイドラッシュ・ワイバーンδ》はそのうちのひとつに目を付けると、中枢である円盤部分を鋸状の左翼で貫いた。こじ開けた穴を無造作に掴み、傷口をさらに広げる。そこから飛び出した球体生物を顎のようになった右翼で挟み込み両断する。小さな生命体は、あっけなく消滅した。頭脳を失った体は、もはや壊れるしかなかった。壁面がひび割れ、一気に崩れ落ちていく光の塔。唐突な敵襲に混乱する天空都市を横目に、ワイバーンは飛び去っていく。だが、奇襲を仕掛けた不届き者を空の支配者が許すはずがない。シルヴァーグローリーから射出されたガーディアンとイニシエートの部隊が即座に応戦体制に入り、光の領域をとうに越えてしまった敵を追いかける。背後を振り返り追っ手を認識した翼竜は速度を落とし、刃の付いた翼を振り回した。ガーディアンが攻撃をかわしつつレーダーを射出してワイバーンの進路をコントロールし、イニシエートが瞬く間に取り囲む。そこにはワイバーンを包囲したイニシエートとガーディアンからなる一つの星が出来上がっていた。抵抗むなしく全方位から攻撃をぶつけられるワイバーン、その様子は処刑という言葉がもっともふさわしかった。多勢に無勢、ワイバーンにとって個々の機体を撃破することは簡単でもそれを一度に相手することは不可能に近い。一方的に攻撃を受け続ける中、唸り声をあげ、最後の抵抗とばかりに戦闘機の一団を睨み付ける。哀れな侵入者は死の時を待つしかない、はずだった。

次に起きたことを意思なき兵士たちが予測できなかった。理解もできなかった。まさか敵が一体ではないなどと、ましてその敵が自らと同じ姿をしているなどと・・・。

黒光りする機体が、隊列を乱して他のガーディアンへと近づく。平凡なはずのフラップ部分が、二手に分かれる。顎のような刃へ変形した翼は、同胞であるはずの機体に猛然と襲い掛かった。守護者の乱れを察知した光の使徒もまた、理解不能な状況に陥っていた。光線を矢のように浴びせかけても、鋭い刃による物理攻撃も、ワイバーンには通じなくなってしまったのだ。追跡中に計測した皮膚硬度なら簡単に貫いてしまえるほどの威力であるにも関わらず、だ。攻撃が効かなくなったと気づいたワイバーンは猛然と反撃を開始した。顎のような刃を振り回し、口から吐き出したレーザーを、容赦なくぶつけた。

フィオナの森を巡回していた《銀髪団》の一人が無残な姿で墜落している大量のガーディアンおよびイニシエートの山を発見するのは、それから数分後のことであった。

回収された墜落機体の中に、ガーディアンの攻撃による傷痕が致命傷になっているものが多数あることが判明した天空都市は、一時騒然としたという。その日、鉄壁を誇るはずの光の要塞は、いとも容易く敗れ去った。他より誇り高いこの集団が、そのまま黙り込むはずはない。聖域を踏みにじった、その罪の大きさを知るがいい。彼らの中でたった今生まれた、そしてたった今だけ生きる秩序。未知の生命体。それこそ五大文明すべての、敵である、と。

この一件を発端に次々起こる謎の襲撃事件。彼らは、自らの作り出した秩序が、半ば自らに都合よいものであると自覚しながらもその正しさに確信を深めていった。

天空に無重力空間を作り上げた彼らは光文明と呼ばれた。その完璧なまでの防御力は、他文明の最終兵器さえはね除けるだろうといわれている。それが、こうも簡単にやられることなどあるはずがない。あってはならない。光文明は、未知の生命体の討伐を決定、それを現状の最優先事項とした。気高き誇りにつけられた傷を埋めるには、それしかなかった。

彼らは各文明に太いパイプを持つであろうサイバーロードに働きかけ、五大文明に収集をかけようと考えた。光文明の総意を運んで海底都市にやってきたバーサーカーに、シュトラというサイバーロードが応対した。



一通り話を聞き終えたシュトラは手を当てて口を隠す。

「他の文明はもっと感情的に動くんだよなぁ・・・。少なくとも火文明は、絶対に承知しないだろうね。でも君たちの望む方向に誘導することならできるかもしれないよ。誰だって一番欲しいものは安心なんだ」

それを聞き終えた伝道師は、役目は果たしたと言わんばかりに急いで帰還していく。細い手に覆われたサイバーロードの口元が、意地悪そうに歪んでいたことにも気づかずに。


_________________________



 ゲットは呆れ返っていた。わざわざ各地から敵対関係にある者たちを集めた目的が単なる武器の売り付けだったとは。それに素直に応じるユーカーンや他の文明の連中も一体何を考えているのやら、ゲットにはまったく理解できなかった。

「契約成立だね。さっそく君たちのところに転送する準備を進めるよ」

アクアンの姿が消える。会合終了の宣言でもあった。みな一様に席を立ち、帰り支度を整え始める。

「ジョーから聞いた通りだ。さすがは豪商だな」

隣のユーカーンがゲットにだけ聞こえるような小さな声で言った。

「むしろ何を期待していたんだ、お前は」

無垢の宝剣は、脱力気味のゲットに向かって聞いた。敵を倒すには、強力な力が必要だ、確かにそうだ。だがそれだけあればいいというものではないはずだ。

「文明を跨った作戦プランとか、そういうのじゃないのかよ・・・」
「実質的な協力体制はできた」

無垢の宝剣は淡々と答える。

「そう・・・なのかなぁ」
「ならばお前は正面から空の連中と協力できるか?」

痛いところを突かれたゲットは思わず黙り込んだ。しばらくの沈黙ののち、

「また会おう。敵同士は勘弁だがな」

うら若き森の獣人は、そういうと部下と思しき鷲のビーストフォークを連れて去って行った。

残っていたのは、ゲットとユーカーン、そして闇文明の男が一人。闇から来ていた貴族は数人いたが、なぜか彼だけが席を離れていなかった。不思議なことにゲットはその人物に既視感を覚えていた。以前どこかで会ったことがある、そんな気がしていたのだ。そんな男が自分の顔を眺めていることに気づいて初めて、彼が帰らなかった理由を理解したのだった。ゲットの警戒した様子に気づいたのか、男は苦笑した。

「すまないね。どうやら君を不快にさせてしまったらしい。これでは弟と同じだな」

穏やかな声が、ゲットには意外だった。黒を基調とした上品な、いかにも貴族という出で立ちのこの男は、自らをハザリアと名乗った。そして納得する。

「この前うちに来たの、あんたの弟か」
「ああ。報告の時に生意気な子どもから目をつけられたと嘆いていてね。君のことではないかと思ったものだから声をかけてみたんだ」

ゲットはへそを曲げる。

「生意気、ね・・・」
「君の気持ちはよく分かる。兄の私でも奴が何を考えているか分からないときがあるからね」

ハザリアはそう言って苦笑した。寡黙で鋭い眼光を放っていた会合での様子とは打って変わって、公爵の口調には、妙なほどに安心感があった。背丈の低いゲットの姿を改めて一瞥したハザリアは、憐れむように言った。

「君のような少年が戦いに関わらねばならないとは・・・残酷なことだ」

ゲットはむっとして、つい言い返した。

「やりたくてやってるだけだ」

ハザリアは驚いたように目を見開き、済まない、と笑った。

「火文明の気質、というやつか」


_________________________



海 底都市での件をボーグたち留守番組に話し終えたゲットは、ふと疑問に思っていたことを口にした。

「どうしてサバイバーは俺たちに攻撃してくるんだろう?」
「あ?そんなもん、オレたちを始末したほうが生きやすいからだろうが」

ボーグの投げやりな答えに、ゲットは首を振った。

「そうじゃなくて・・・能力の共有だぜ?だったら仲間を増やしたほうがいいじゃないか」
「それができないって判断したんだろ」
「どうやって?」
「知るか」

どれだけ考えようと、時間は待ってくれない。サバイバーとの決戦は、すぐ近くまで迫っていた。


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 できることは一つしかなかった。何のために生まれたのか、何のための力なのか。それをなにひとつ知らないのは普通の生物ならば、ごくごく当然のことかもしれない。だが、我らは違う。そこには明確な意思と、目的が存在している。だがそれを知るのがもはや自分だけだという事実に、自業自得だと自嘲しながらも彼は愕然としていた。と同時に、思いついた。ならば、仲間たちがこの世界の生命のことを何も知らずに襲い掛かれるのは、本能に刻み込まれているに違いない、と。我らの生きる理由はひとつ。力を変えた理由はひとつ。マガミ、そしてマガミの創り出した世界の破壊。覚悟の上での行動だった。後悔はなかった。だが、予言者という大いなる後ろ盾を失った《戦空の伝道師バルス》は、その存在意義を失った。

もはや当時から生き続けているのは用無しの伝道師と、意思持たぬ船舶だけだったが、代々この力を受け継いできた子どもらにもそれを伝えることはしてこなかった。ただ、生き延びることに必死だったからだ。ともに支えあうことが求められる世界に、敵意を作り出しても意味がない。反旗を翻したハラガミに対してでさえ、救いを求めたかったほどである。そして本来の目的など忘れ果ててしまったころになってようやく、この世界へと帰り着いた。彼は世界の変化に戸惑うしかなかった。バラバラになった子どもたちの動向も気にかかった。

バルスは、彼らが本能のままに動いているに過ぎないという結論に至った。バーサーカーはある決意とともに全身の連結を解除する。こうすることで分散した自らの体をどこまででも際限なく飛ばすことができるようになるのだ。そのかわり、もとの形に戻ることはできなくなる。それでも、彼はそうせねばならないと感じた。何も知らずに育った、漂流大陸の末裔たちのために。


全身が無数に砕け散り、輝きとともに世界へと広がっていく。宇宙と大地の狭間、言葉無き伝道師は何を伝えるのだろう。
2015-06-30 19:52
スマホやパソコンで情報を集めるのは確かに効率がいい(その情報の真偽が怪しいことはさておき)。そこには偶然の出会いがない。無駄な知識とふれあえなくなる。必要な文章だけを、見たい画像だけを開く。こうして世界は、狭くなっていくのかもしれない。

・・・というわけで本をテキトーに選んで読んでみる。手始めに図書館にある講談社ブルーバックスを左から借りていくことにする。試験が近いから逃避行動に出ているわけではない。決して。久々に日記を更新して堅い文章で堅いことを書いている。逃避行動では、決してないのである。
2015-07-01 08:38
ちょっと前に書いてて保存してた日記です・・・

「トイレのピエタ」初主演(しかも演技初挑戦)野田さんの自然体の演技に引き込まれる。悲壮感、でもなく諦念、が押し出されているわけでもなく、やけにもならず・・・。余命宣告された青年を生々しいまでに表現されている。ラストのセリフがとてもいい。
杉崎花さん、ベムの実写版で北村一輝さんの娘役だった女の子ですが大きくなったなぁ。素に近い(?)リリー・フランキーさんの緩い感じが良かった。そしてどこに出ているのか分からなかったMEGUMI・佐藤健。主題歌の「ピクニック」がもう最高でした。珍しく歌詞がテロップで表示されてましたが、その理由は聞いていてすぐに分かりました。まさしくこの映画のための曲だった。

そして燃えろドギラゴン発売。映画からこの深夜販売に直行する無茶なスケジュールでした。で、感想。「ホイルがポンポン出てくるのがこんなに楽しいものだったとは思わなかった。」これに尽きる。

からの新公認大会、デュエ祭り。今のところ前みたいなギスギス感もなくほんわか対戦できるいい感じです。面白いデッキを何のためらいもなく振り回せるのでたいへん気持ちがよろしい。革命軍vs侵略軍の合戦形式は面白いしスタンプでさらにプロモがもらえるのもうれしいけれど、気になるのはお店の方がちょっと大変そうなところでしょうか。


ちなみにトッキュー8ですが3回中2回ドギラゴンを当てたもののどちらも一度も使うことなく終了。うち片方ではマナロックを振り回して優勝しました。

おわり
2015-07-03 14:55
大きな仕事(とんでもない貧乏くじ)をやり終えてほっとしております。


DMの日記のはずなのに映画の感想ばっかり。いけませんね
「ストレイヤーズ・クロニクル」
楽しめたのは確かですが話がギシギシに詰め込まれてて消化するのが結構大変。またこのパターンか、みたいな批判もされそうだけど前後編にしたほうが良かったんじゃないだろうかと思ってしまう。アクションシーンは滑らかでカッコ良かったけど、なんというかアクションは起承転結ができてないというか、よく言えば最初からクライマックスレベルの激しさ、悪く言うと終盤も序盤と大して変わらず盛り上がらなかったというか。

核心部分でいうと
公園の下り、いくらなんでも無理がある!人間はそこまで薄情じゃない!薄情だとしてもそんな状況に出会ったらしかるべき対処を取らざるを得ないと思うんだけどなぁ・・・
2015-08-26 12:57
The story of DuelMasters

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漂流大陸の末裔:θ成熟の時


 黄金色の光を浴びて、ブレイズザウルスαは目を覚ました。足元で僅かに輝く何かの残骸に気づき、それに向かって頭を垂れる。彼には目の前に落ちている光源に見覚えがあった。漂流大陸の最古参、バーサーカーの≪堅牢の伝道師アレーク≫に違いない。彼はその死を認識した。にもかかわらずいまだかつてないほどに清々しい目覚めである。靄が消え失せたことがそうさせているのか、あるいは未来に待つであろう景色に心躍らせているのか。彼は新天地へとやってきてから、一抹の不安とともにひとつの確信があった。自分は形のない、曖昧な何かに憑りつかれている、と。襲わねばならない。戦わなければならない。生かしておくわけにはいかない。殺す。この世界の生命を初めて認識した瞬間に湧き上がってきた攻撃的な意思。彼は今、仲間の死と引き換えにそれを理解することができたのであった。全身から力が漲ってくるのは、本能による祝福だろうか。血が、肉が、魂が、事を為せと急かす。黒く乾き、ひび割れた皮膚の隙間から、血液が溶岩となって吹き出し始めている。高ぶる気持ちを抑えられなくなると、体を大きくのけぞらせ、思い切り声を出した。ブレイズザウルスαの咆哮と共に力の波動が味方のサバイバーへと伝わっていく。ある者は空で、森で、またある者は海で、あるいは墓場で、その脈動を感じ取り、熱気を更に加速させて興奮を限界まで高めていく。互いが互いの狂気とも思える心を渡し、受け取り、急激に肥大化していく感情の渦。雲の流れは速まって、光をさえぎり世界を黒く染める。海の波は荒れ狂い、木々は激しく揺れ、火山の頂からは血が滴り落ちる。

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水中都市、《ポセイドン》。サイバーロードによる完全管理下にあるここは現在、過去に類を見ない大混乱に陥っていた。都市の基盤となっているリヴァイアサン《キング・ポセイドン》の脳波が乱れ、その上に形成された電脳空間が機能不全の危機に瀕していたのである。ポセイドンに置かれているサバイバー対策のエリアでは、ギガリングαが、拘束を破ろうと暴れ出していた。監視役に呼び出されたシュトラは慌てふためくリキッドピープルの部下たちをどこか楽しげに眺めている。その横には勝手についてきたアクアンもいる。

シュトラはアクアンに尋ねた。
「この一帯の状況はどうなってるの?こいつの様子からするとかなりの数のサバイバーが群がってる感じだけど」
「いや、全然さ。多くのサバイバーが興奮状態にあるんだろう。オーブの反応には物理的距離以外の近さも含まれるみたいだからね」
「それ、他の連中には伝えなかったな。意地が悪いよ」
ニヤリと笑うシュトラに、アクアンは口を尖らせる。
「あの時には分からなかっただけさ。それはそうと彼ら、気づいてると思うかい?自分たちが巨大な生き物の上に乗っかってたって」
露骨に話をそらしたアクアンに苦笑しつつ、シュトラは首を横に振った。
「だろうね。自分でも時々忘れちゃうくらいだもん」
部屋全体が大きく揺れる。ポセイドンの暴れようはなかなかひどいようだ。しかし実体を持たぬサイバーロードの二人はどこ吹く風、激しく左右する景色に新鮮ささえ感じながら、これから起こる戦いに思いを馳せるのであった。

《プロメフィウスα》の群れ。キングポセイドンを見上げる位置に、彼らはいた。体から発せられる特殊な電流が、奇跡的にサイバーロードによる探知をかいくぐることに成功している。彼らの起こす放電は、水の生物にとって時に致命的だ。漂流生活中は需要も多かったのだが。
その下には、無数のフィッシュによる死体の山ができていた。死骸とポセイドンを取り囲むように、青い花弁が舞っている。海の中ではまず見かけない光景だ。また一匹、何も知らぬフィッシュが得体の知れない花の欠片へと近寄ってきた。フィッシュにとってリヴァイアサンは自らを食らう恐怖の存在でしかないが、それでも好奇心を抑えられなかったようだった。一枚の花弁を口で突いた瞬間、体がピクピクと痙攣し始める。目を大きく見開き、フィッシュは沈んでいく。


__________________________________________________



闇文明の僻地《ロスト・シティ》。木々が並ぶ林、と表現すると自然文明の領土のようだ。だが実際そこには街があった形跡が見られる。崩壊した建物を押しのけるように木が生え、そしてそのことごとくが腐敗しているとなれば闇文明に属するものだというのも納得できる。そんな空間に、初めて踏み入れた土地に警戒心を隠そうともしていない二人組がいた。ゲットとボーグである。二人は闇との協定により火山要塞ではなくこの遺跡じみた場所につくことになったのだった。

「本当に大丈夫なのかな」
ゲットが、ボーグに尋ねる。
「そんなこと俺に聞くな。ジョーが大丈夫だっつってんなら大丈夫なんじゃねぇのか」
「お前だって来る途中で見ただろう?」
「・・・ああ、あいつらか・・・」

二人が話しているのはワームやリビング・デッドたちのことだった。以前ジョーを襲っていたキマイラという混沌獣を見た時にもゲットはそのおぞましさに不快感を覚えたが、今回見かけたそれらも負けず劣らずだった。もぞもぞ動きながら何かの死骸をむさぼり卵を産み付けるワーム、腐敗した肉片を体から撒き散らし血を吐き出すリビングデッド。その姿は卑しさの極みのように感じられた。初めて見た闇文明のクリーチャーであるダークロード、ハウクスとはあまりにもかけ離れている。「燃やしてやりてぇ」ボーグがぼそりと言った一言をジョーがたしなめていたが、ゲットも内心相棒と同じ気分だった。すぐにでもマシンガンをぶっ放して気持ちの悪い姿を木端微塵にしたかったのだが闇文明との関係がこじれてはまずいと寸でのところで我慢したのだ。

「ヴァルには東のなんたらをよこしたって話だ。あんな芋虫どもよりは幾らかマシだろうよ」
ボーグがジョーから聞いた話をゲットに伝えるが、内容はずいぶんと雑だ。自分には関係ないからと適当に聞いていたからだろう。
「そっか・・・。ところでジョーの奴はどこ行ったんだ」
「知るか。どっかで適当にサボってんだろ」
「誰がサボってるって?」
不意に現れたジョーを見て気まずそうに目をそらしたゲット。その視線の先には、奇妙な生き物の姿があった。頭蓋骨がカサコソと自力で動き、上あごを地面にぶつけてカチカチと音を鳴らしている。下あごと思われるものはなぜか頭を半周して後頭部に生えていた。
「・・・あいつ、自分の顔食ってない?」
「君には刺激が強すぎたかな。これでも我々の軍の中では君らの目に優しい方なんだ。済まないが我慢してほしい」
ジョーの背後からハザリアが現れる。以前あった時とは異なり戦闘用の鎧で身を包んでいるが、苦笑交じりでゲットに答えるその声はハザリアのそれに違いない。あ、と声を漏らしたゲットにボーグが小声で「知ってるのか?」と尋ねた。
「参ったぜ。まさかお公家さんが前線に出てくるとはな」
可笑しくて仕方がないという様子で、ジョーが言った。リーダーとして立ち振る舞いながらも現場主義を貫いているジョーは、彼にシンパシーを感じているのだろう。ハザリアは腰に下げた剣の柄を撫でた。
「上に立つだけでは腕が鈍ってしまうものでね。私の仕事は弟に丸投げさ」
ゲットはハザリアとの再会に頬を緩めていたが彼の背後から現れたデビルマスクの軍団を見るや否や笑みは消え、顔を引きつらせるしかなかった。先ほどの《逆歯怪人トマホーク》をはじめとして無数の髑髏頭がわらわらとひしめくさまは気味が悪いとしか言いようがない。ボーグも露骨にげんなりとした表情を浮かべている。
「頭だけのヤローどもが戦力になるのかね」
そう言ったボーグの顔を何かがかすめる。《鬼眼怪人スカルカッター》だった。右腕に握っていたはずの短剣がなくなっている。バイザーごしに睨み付けるボーグに、スカルカッターは下あごを何度も動かし挑発した。
「頭は考える為にあるんじゃないぞ」
ほれ、とスカルカッターは口から新たに短剣を出し、空いた右腕で握りしめる。
「次はきっちり当ててやろうかのう。どこがいいかゆうてみい。目玉か、心臓か?」
困り顔でジョーのほうを見ると、彼は大勢の《頭刃怪人グレイブクック》に取り囲まれている。
「爆炎野郎ジョーさんよぉ、教えてくれよぉ。ワシの、ワシの包丁はどこじゃああああ?」
グレイブクックの一体がヒステリックな叫び声をあげたことを皮切りにジョーの足元に集まってしまったのだ。頭頂部に包丁が突き刺さった異様な姿にゲットは眩暈がした。

「いい加減にしろ」

それはまさに鶴の一声だった。静かだが、有無を言わせぬ迫力がある。ゲットが今まで見たことのない、軍人としてのハザリアだった。デビルマスクはきっちりと隊列らしきものをとり、一様に黙り込んだ。規則正しく整列する様は軍隊と呼ぶに相応しい。
「申し訳ない。外からの客に興奮しているようだ」
一瞬で統率をとったハザリアは、もう先ほどまでの穏やかな口調に戻っていた。ゲットは少し安心した。そんな彼の不意を衝くかのように、ゲットの背後に突如輪郭のあいまいな影が覆いかぶさる。いち早く気付き、対応したのはハザリアだった。袖口から薔薇の蔦を伸ばし影を縛り上げる。徐々にはっきりとした形になっていくこの影は頭に毛皮の帽子を被った、ゲットよりもはるかに幼い2人の少女の姿へと変わっていった。
「え・・・?」
戸惑いの声を上げるゲットたちヒューマノイド。ハザリアは、容赦なく少女の片方を蔦の鞭で貫く。相棒を消された少女はよたよたと震え、か弱い声で「ひとりにするな」と呟くと、空に向かって天高く飛んでいった。

「ゴーストだ・・・ダークロードはいまだ奴らを支配しきれていない。戦力外どころか、今のように敵にもなりかねない。ああいうのを見たら躊躇わずに攻撃してくれ」
ハザリアの声には苦虫を噛み潰したような苦々しさがあった。
「奴らの手にかかれば同族にされてしまう。体のない、魂だけの存在・・・生き地獄に堕ちる」

ゴーストとの戦闘中、一切動かなかったデビルマスクたちがざわつき出した。同士討ちを始めている。ある者は切り、ある者は噛み付き・・・。脳天から真っ二つにされたデビルマスクの死体は風化し、薄汚れた煤だけが残る。ゲットはハザリアを横目で見たが、命令を出そうとはしていなかった。彼は何かがおかしいと悟っている。ゲットには、そう見えた。


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「遅い、とろい、鈍すぎる! 人面爆弾撃っちゃうぜ!」
羽に仕込まれた弾倉から、幾多の“人面爆弾”を発射する。胸元のオーブを破壊されたブレイズザウルスが、ゆっくりと崩れ落ちる。
「まずは一匹、か」
ボンバットは火山地帯にひしめくブレイズザウルスの大群を見てため息をついた。辺りには熱風が吹き荒れ、あまりの暑さに視界が歪む。少しでも緊張を解けばそのまま倒れてしまいそうだ。

「ほんと変わってんな、お前・・・」

気配を感じなかったところから声をかけられ、ボンバットは構えたが、それがエグゼドライブだと分かると「なんだお前か」と武器から手を離した。
「オレは気に入ってんだけど」
ボンバットが答える。エグゼドライブが人面爆弾のことを指していると分かっているらしい。
「親父も丸くなったもんだ。前ならあんな話は絶対了解しなかっただろうさ」
ぽつり、とエグゼドライブがつぶやいた。ボンバットが、羽型の装甲を開く。水文明が開発した兵器で、サバイバーの球体から発せられる音に反応して追跡、爆発する爆弾だが気味の悪い外見のせいで誰も使いたがらなかった。何より火文明は荒くれ者の集まりだ。あれを使え、これを使えと戦い方をとやかく言われるのは嫌いなのだ。わざわざアクアンから買い取ったのはいいものの、実際のところ武器を手にしたのはユーカーンと、このボンバット率いる部隊くらいのものである。
「様子はどうだ?」
「今4匹目の始末が済むとこだ」
ボンバットの部下たちは、集団戦で次々と火山獣を倒しているのだった。
「そっちじゃない、アイツらだよ」
エグゼが顎で指す方では、火の土地には不似合いな黒い巨人が揺れていた。シルエットこそヒューマノイドに似ているものの、身に着けている派手な装飾や大剣を中心にした武器は明らかに別の存在だと分かる。ロックビーストとほぼ同程度の巨体を揺らし、各々一対一で交戦中だ。
「薄気味悪い奴らをよこすとばかり思ってたんだがな。案外まともそうで安心したぜ」
ボンバットの言葉に、エグゼドライブが吐き捨てた。
「どこがだよ」

何かを感じた二人は、とっさに体をよける。ブレイズザウルスの口からキノコの胞子がばらまかれた。
「なんでもありってか」
呆れたような声を出すエグゼドライブに、重低音が話しかける。
「ここは任せろ」
“東方の血武衆”のひとり、《剣舞の修羅ヴァシュナ》が切っ先を向け、ロックビーストと相対する。
「東国の武技を見せてやろう!」
己の身長とさほど変わらぬ大剣を片手で振り、ブレイズザウルスに斬りかかる。ヴァシュナの剣を両手で受け止めたロックビーストの体が赤く染まる。胸元のオーブが激しく光った。ロックビーストが触れている個所から剣が溶かされていく。

「腕の一本くらいならくれてやる!」

背後から襲い掛かるもう一体のブレイズザウルスを素手で抑え込み、剣で応戦していた方へと引き寄せると、3本目の腕で、2体を同時に両断する。その後ドロドロに溶けた2本目の腕を何の躊躇いもなく自ら切り落とした。その様子を見てボンバットが苦笑する。
「命知らずの喧嘩馬鹿だ。ヒューマノイドと組ませたほうが良かったんじゃねぇか」

ヴァシュナがよろめく。巨体が崩れ落ち、地面が大きく揺れた。その体はひくり、と痙攣している。咄嗟にボンバットが部下に向けて叫ぶ。
「サバイバーには素手で触れるな!」
「ロックビーストにこんな能力があるはずねぇ・・・他のサバイバーにこういう奴がいるんだろう」
そう言ってエグゼの姿が見えなくなる。このことを全軍に伝えに行くのだろう。倒れこんだデーモンコマンドにとどめを刺そうと、サバイバーが群がってくる。他の血武衆も、ドラゴノイドもこれに構っている暇はなさそうだった。ボンバットがロックビーストの前に立ちはだかる。
「ここで使い切るのももったいねぇよなぁ・・・」
名残惜しい様子で弾倉に手をかける。数発だけ打って撹乱すると、指笛を鳴らした。空から降りてきた《カオティック・ワイバーン》が金切り声をあげながらヴァシュナの周囲を飛び回り、敵を蹴散らす。ワイバーンの背中に飛び乗ったボンバットはブレイズザウルスの胸元へと近づくたび、人面爆弾を一発ずつお見舞いしていった。急所を最接近からの一撃で撃ち抜かれたロックビーストたちは倒れこむしかなかった。一息つく間もなく、ボンバットとカオティックワイバーンは空からの奇襲を受ける。両翼に刃を備えたブレイドラッシュワイバーンである。火山地帯で終わりの見えないレースが始まった。ボンバットは動かなかった。機敏な敵にピンポイントでしか効かないミサイル攻撃は無意味だと判断したのだ。

戦いは地響きとともに、火山のひとつが溶岩を吹き出したことで一時中断となった。大きな力を予感させる現象に、ボンバットをはじめその場にいる誰もが身構えた。サバイバーですら攻撃の手を止めている。だが中から現れたのは、周囲の予想に反した小さな生き物だった。火口からひょっこりと出てきた白い小鳥は火の粉を吐きながら懸命に首を伸ばし、翼を羽ばたかせた。少し上がっては下がり、上がっては下がりを繰り返し飛翔するその挙動は、何かを引き上げているように見える。得体のしれない動きを牽制しようといち早く動いたのはブレイドラッシュワイバーンだった。刃が、ファイヤーバードをとらえた。全身が両断される直前、《ポッピ・ラッキー》は嬉しそうに笑った。羽毛が飛び散り、裂けた体からは血が噴き出る。バラバラになったファイヤーバードの肉片が火口に溜まる溶岩へと落ちていく。ワイバーンの勝ち誇った絶叫があたり一帯を支配していた。

再び、地響きがした。だが、それは大地が揺れているのではなく、大きな雄叫びが大地を揺らしているのだと気付いたものはいなかった。

雄叫びの主の名は《グラディアン・レッド・ドラゴン》。

封印されしドラゴンが覚醒した時、滅びの声が世界に轟く!
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